6月8日(土)に,日本数学教育心理研究学会(通称:PMEJ)@東京学芸大学に参加してきました.
「若手研究者」が自らの研究をプレゼンし,白熱した?議論を交わす会です.
今回は,私がもともと尊敬していた研究者の方もご発表されていたこともあり,前のめりに参加させていただきました.いわゆる「定義活動」は,「天下り」のイメージを教師自身が抱いており,そんな先生に指導される児童・生徒もまた「暗記科目」として算数・数学を認識するという悪循環の最たる例に感じています.
いつの時代も,その数学的発展に合わせて定義は修正されたり,新たに作り出されたりしてきたわけですから,学校教育でもそんなダイナミクスを感じさせたいところです.ポイントは「数学的な定義」にどうもっていき,児童・生徒にどう納得させるかでしょうか.「そこまでガチガチに定義する意味がわからない!」なんて子供が目の前にいたときに教師はどう振る舞うべきでしょうか?また,実際どう振る舞っていますか?
ぜひ反省したいところです.
一方で,統計教育に関するご発表も拝聴しました.
中3「標本調査」はスケールが小さくなったり,高校との接続が意識されないままに扱われたりしている印象です.実にもったいない話です.今回のご発表はそこに危機感を抱き,問題提起するものでした.とても面白く,多くのことを学ばせていただきました.
今回のご発表でいえば,数学Ⅰよりも数学Bの区間推定あたりと絡めるとより面白くなると感じました.標識再捕獲法に関する議論の中で,「サンプスサイズ」だけでなく「サンプル数」に関する疑問を生徒が発していた様子が報告されたためです.中学校でどこまで扱うべきかは難しい論点ですが,「点推定」ではなく「区間推定」の発想が生徒から生じる様子を拝聴できただけでも個人的には収穫でした.
どなたか高等学校の先生で「区間推定」に興味のある方,もしくは,中高接続の視点から中学校の統計領域を研究したい方はいらっしゃらないものかなぁ・・・
いつか研究してみようかな.