今年度初めての授業研究会では,今年度から立ち上がった共同研究のパイロット授業を行いました.その関係で,本学数学教育講座より飯島先生(数学教育学),井戸先生(幾何学)にもご参加いただき,2つの授業を「教育学」「数学」双方の視点から分析しました.
1時間目の展開を反省し改善した2時間目には,学生にも参加していただきました.大学数学を高校生にも体験してもらうという試みは中々目にできない分,学びも多かったのではないかな.
授業では,「ほどけているものはどれか?」という問いに始まり,次第に数学的な結び目の概念へと繋げていく方針を採用しました.自明な結び目に移動”できる”ことは比較的簡単に示せる一方で,移動”できない”ことは高校段階ではある程度直感的に扱わざるを得ません.この辺りの授業化が難しかったです.
生徒は,様々な図やジャスチャーを用いて同じ結び目がどれかを探求していました.中には自分のヘアゴムやネクタイで操作的に検討する生徒もいました.その意味では,最初から一人1本の紐を配れば良かったかもしれません.射影図の概念が自発的に創発することを少し期待していたのですが,流石にこれは難しかったようです.ライデマイスター移動を扱う文脈で射影図の必要性に気付かせる展開が良かったのかもしれませんが,今回は1時間ものの授業設定でしたので,それは難しく・・・今後の課題です.
今後もこの研究会の輪を広げていけると嬉しいです.