第5回3年生セミナーを開催しました!

11月28日(火)に3年生ゼミを開催しました.

当日は「学校教育における代数指導」に関して発表を行なっていただきました.
「代数」については,小〜高校のいずれにおいても1学期にメインで扱われがちな内容です.
教員側からすると,年度当初良いスタートを切るためにも数学的事実に基づいた指導を展開し,生徒の心を掴めるようにしたい領域といえるかもしれません.

これは,ゼミ生以外にもいえることですが,教科書や参考書に載っている証明を”読むだけ”,”写すだけ”で”理解した”と思いがちな学生さんが結構います.

教員になったとき,児童・生徒に「なんでこういう解き方で良いのだろう?」と考えるよう促す立場なわけですから,自分自身がダウトをかけながら教科書や参考書を読む癖をつけてほしいと最近特に指導するようになりました.

今回の発表でも「集合論」から「濃度」の内容が登場していました.
参考書には「自然数」と「偶数」の濃度に関して説明があったようで,それをわかりやすくまとめようと頑張ってくれていました.
はて,”わかりやすい”とはまとめ方の問題でしょうか?
”わかりやすさ”を”分量の少なさ”と捉え,数学的に重要な前提条件まで削いでしまう学生さんもよく出会います.どこまでスマートに記述できるかという議論を分量の問題だけでなく,内容の問題としても見ていただきたいなと考えています.

やや脱線しましたが,「濃度」でも「では,自然数と実数の濃度は?」のように発展させて考えてほしいなと思います.対角線論法を初めて学んだときとかは結構感動した記憶があります笑

本ゼミは「数学教育ゼミ」ですが,そもそも「数学教育」は「数学」を大切にすることから始まる気がしています.ここを見失わず,3年生にはHow toにより過ぎない数学教育の在り方を考えていってほしいと思います.

最近,同僚との会話や,現場での授業や実習を参観していて色々と思うところがあったので,つい長くなってしまいました.まずは,私自身が頑張らねば.