4年:前期 第9回ゼミ

今回の発表は,「数学的一般化」についてでした。

前回,「拡張」と「一般化」の概念規定の差を明確にすることを課題として指摘しました。今回は,岩﨑秀樹先生の文献を解釈しながら,それに取り組んだ結果を発表してくれました。

研究あるあるですが,研究間でコンセンサスが取れない概念規定というものが存在します。特に,数十年前の研究と今の研究とでは,基本的に概念がアップデートされており,その意味でコンセンサスが取れている場合は多くないと思います。これに常に気を配って研究する必要がありそうです。

今回の発表では,ここがある種のバイアスになっていたかもしれません。すなわち,上記は我々研究者間では自明でも,学生からすれば「同じワードは同じ意味で使っている」という前提を知らず知らずのうちに設定しうるということです。今回でいえば,「一般化」はまだしも「拡張」という言葉の扱われ方の違いに目を向けるべきだったかなという個人的感想です。

まぁ兎にも角にも,本人が納得のいく卒業研究を遂行することが学部では重要だと思うので,背中を押せるようにちょっとずつレールを敷いたり,磨いたりします。

ゼミ後には,学生と飲みに行きました。大学院の話なんかもできたので,彼ら彼女らの人生の選択肢が鮮明になると嬉しいなと・・・