第14回附属高校授業研究会(2025. 5. 30)

今回の授業は数学B「数列」から,ΣK^2の展開公式の導出がテーマでした。
前時の学習内容であるΣKの展開公式の導出方法が,ΣK^2には使えないことを認識させ,導出方法をアップデートさせるような仕掛け溢れる授業でした。

授業者の意図は,ΣKの公式の導出が一次元的に行われることに着目し,ΣK^2の公式を二次元的な視覚化によって検討することにあったようです。個人的には,この着想が面白かったです。

一方で,生徒にとっては,なかなか自発的に思い浮かべにくいアイデアだったようで,終始「数学好き」の生徒の発言に手助けされる形となっていた印象です。これはなかなか難しい問題で,授業全体としてみれば円滑に進んでいるように見えても,それを円滑にしているのが一部の生徒のおかげであった場合,これを良しとするか悪しとするかは教育観によって大きく評価が割れそうです。本日の授業に限っては,特定の生徒の発言に頼っていたとしても,それを聞いた他のクラスメイトもその意図を一生懸命汲み取ろうとしていた様子が伺えたので,一概に悪い授業とは言えないなという感想を抱きました。

今回は,学部4年生が実習中なこともあって,学部生を引き連れて参観しませんでしたが,その分ゆっくりじっくりと観察することができました。