第15回附属高校授業研究会(2025. 5. 30)

今回は「数学Ⅰ:絶対値」をテーマに行いました。印象としては,数学を苦手としている生徒が多いクラスだったかな?

授業では,「絶対値の定義」を重視した指導が行われていました。単に絶対値の外し方を形式的に扱うのではなく,数直線での意味を逐一振り返ったり,別解を積極的に扱ったりすることで,豊な数学的な見方・考え方の育成を狙っていたのがよくわかりました。

一方で,別解を積極的に取り上げたことで,かえって混乱を招いた場面がありました。具体的には,|xー2|=3の解釈について,「0からx−2までの距離が3」なのか「2からxまでの距離が3」なのかで混乱してしまう生徒が多くいました。ここは,二次関数の平行移動の素地としても位置付けられる重要な場面ですが,答えを導きたい生徒と考え方にこだわりたい教師の間で思いの齟齬が生じてしまったようです。

数直線との関係付けをもう少し上手く扱えば十分に改善可能な実践に思いましたし,提案性のある授業でした。実習を終えたゼミ生も積極的に参加し,成長のきっかけにしていただければと思います。